京都府京都市の 清水三年坂美術館 では、企画展 「帝室技芸員 series Ⅳ 金工 - 加納夏雄と海野勝珉」 を開催、【加納夏雄 / 芍薬図懐中時計】【海野勝珉 / 閻魔図さぐり金具】 などを展示しています。

「明治9年 廃刀令が出され、大名家お抱えの刀装金工達だけでなく、町人達の脇指の装剣金具を作っていた 町の金工師達も失業した。 多くの刀装金工達が 装剣金具作りで身に付けた彫刻や象嵌技術を用いて 花瓶や香炉、置物作りに活路を見出そうとしたが、その中で一躍注目を集めたのが、加納夏雄 と 海野勝珉である。 彼等は 海外の万国博覧会や、国内の勧業博覧会、美術展で常に上位入賞をはたし、多くの作品が明治天皇、宮内省の買い上げとなり、金工界のトップの座に躍り出た人達である。
2人は後に帝室技芸員に選ばれ、東京美術学校教授として多くの名工達を育て上げた事でも知られている。 夏雄は京金工、勝珉は水戸金工であり 技術面での差異はあるが、両者とも絵画的表現に優れ、感性が豊かなところが共通している。 夏雄は余白を多く残す作風で、気品と余韻を感じさせる表現、勝珉は鏨をまるで絵筆の様に自在に操り、大胆さと繊細さを兼ね備えた作風で、両者とも絵筆では表現出来ない 金工の美しさを追求した作家である。
今展では両者の作風の違いや、鏨痕の美しさにも是非注目していただきたい。」

■ 帝室技芸員 series Ⅳ 金工 - 加納夏雄と海野勝珉
5月19日まで開催
清水三年坂美術館 : 京都市東山区清水寺門前三寧坂北入
               清水三丁目337-1
               075-532-4270
http://www.sannenzaka-museum.co.jp/kikaku.html

このブログの人気の投稿